2018年09月27日

ビルダーの仕事をしている大工さんの声(其の五)

この大工さんの話を聞いていると、普段私が伝えていることのすべてが合致してしまう悲しい建築業界の姿が見えます。おそらく一部の業者に限ったことではありません。

今まで私たち木材業者も「集成材はまっすぐなもの」と思っていました。
しかし現場で明らかにそのB級品が流通しているとなると、今更ながら「やっぱりそうか…」「そこまで落とさないと無理なのか…」と沈んでしまいます。

俗に建築現場の上下関係は三角ピラミッドと言われます。昔は大工の棟梁が頭にいて指揮を執っていましたが、彼は「今は住宅会社の現場監督が最高指揮者で大工は一番下」と笑いました。

その「一番下」とは、現場監督に日頃からよく「仕上げのクロスやパテ処理を少なくなるようにするのが大工の仕事」と言われるそうです。つまり、クロス屋さんの仕上りがキレイに見えるように、その隠れる下地材を工夫するのが大工の仕事だと。
しかし管柱(くだばしら)の寸法と間柱(まばしら)の幅が違えば、当然内装の石膏ボードに段差ができてしまいます。これを平らにして施工しろという方が土台無理な話で、一方的に大工の仕業にされる現状は「安い資材の契約だから」と片付けられないものがあります。
建て売り物件の建築現場
現在主流になった屋根の軒先が出ていない建築も「あぁ、やっているよ。でも雨仕舞はほとんどコーキング処理だけだから」と笑いました。
案の定です。やがてコーキングは弾力を失いどちらか片方に引っ張られて反対側が切れます。そうなるとそこから容赦なく雨水が浸み込みます。一度「水道(みずみち)」ができると、次からちょっとした勢いの雨でも入り込むようになります。そうなれば下地の木材は数年で腐り出します。

これも大工さんが悪いわけではなく、指示通りのことをやれと言われている裏側で、余計なことはするなと指示される現場の現実です。これじゃあまずいだろうと相談しても聞く耳持たず、あくまでも王様の言うことを聞かないと排除される身分でしかありません。

現在の住宅建築の現場で働く職人さんたちの多くは、残念ながら建て主さんの顔を見ることは許されず、日々工程と予算に縛られる仕事をこなしていることが改めてわかりました。

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posted by 長風呂呑平 at 17:21| Comment(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする