つれづれ帖

本日午前。現在このヒノキを保管している弊店倉庫内に、同じ町内に住む私より三つ下の幼馴染みが足を入れた時のこと。
@ 「うわぁ、すっごく匂うねこの木。どこの木？」。
# 「これは先週、和歌山県から届いた」。
@ 「へぇ、日本の木なんだぁ」。

これのどこが国産材の需要拡大なのか、どう考えても使ってくれるはずが無い。

弊店徒歩05分で家屋解体工事が始まりました。
昨日までは法に守られた立派な不動産でしたが、あの赤い爪が入った瞬間に産業廃棄物。
作るためには数ヶ月間を要すところ、こうして壊しはじめればアッと言う間です。
どれをとっても究極の粗大ゴミ…、再生加工物はほんのわずかだと見受けます。

玄関前駐車場の改修工事です、玄関に至るまでの小さな階段を作ります。
炎天下の中でセメントをこね、日に照らされてそれが乾かないまでが勝負です。
一服する10時と15時のお茶もお昼の弁当も、このセメントの乾き具合が優先します。
日を遮る屋根は無く、緑の葉が茂る木陰もありません。
同じ屋外の作業者同士、仕事とは言えお互いに体調には注意しましょう。

硝子屋に外窓アルミサッシのガラス交換を依頼しました。
ここは依頼主さん宅玄関先の市道、ものの30分で作業が終わりました。
以前はこの硝子屋をはじめとして、大工さんや畳屋さん、そして建具屋さんなど、こうして依頼主さん宅の玄関先で職人さんたちの作業を日常的に見ることができました。

ところが昨今は作業中の騒音や排出されるゴミ、そして交通妨害など世間様の風当たりが強くなり、その姿は必然的に消されていきました。その結果として「早く、安く、簡単に」の工業製品が主流になり、職人さんたちの優れた技量を必要とする機会が激減することになります。

身近な「レジ袋の有料化」と同様に、これらの「優れた技量」が見直されることを切望します。

生まれついての「もったいない」精神から。弊店倉庫内にあった端材を使って、大工さんに「板倉（いたくら）工法」の実寸大模型を作ってもらいました。
土台はヒノキの120mm、管柱はスギの120mm。
差し落とされた板は本実（ほんざね）加工された厚さ30mmのスギです。
もうこの段階でビクとも動きません。

この工法は、木材を多用した優れた耐震構造と言えます。
せっかくの端材を処分するに忍びないと思い立ち、形あるものに残すべきと考えました。

昨日製品市場から引き取りましたヒノキ土台アカ角の確認です。
挽立寸法をはじめとして乾燥度合い、そして総量アカ角など、依頼どおりの製品です。

しかし木材業者として改めて、どうしてこれの需要が無いのでしょうか。

先週末に積載できなかったヒノキ構造材を引き取りに製品市場に出向きました。

朝の天気予報で「先週よりはいくぶん暑さが和らぐ」との期待もどこのこと。
塀に囲まれた市場構内で、コンクリートの照り返しが容赦なく襲いかかります。

今回は和歌山県産樹齢100年生ヒノキのアカ土台。自然乾燥材とあって「私が確認します!!」と黒田課長が率先して担当してくれました。いいカットですね、これが日本の働くお父さん。
積載作業は前回と同様に手代木春菜女史が担当。
林野庁のパンフレットに載せたいくらいの「理解ある上司とよく働く部下」。
お陰様で今日の手代木さんはマスクを取って正面から。
暑い中をお世話になりました、近いうちにもう一回うかがいます。