先にお伝えしましたとおり、先週末から北秋田を訪ねました。上野を21時15分発の「あけぼの」に揺られること約11時間、JR奥羽本線二ツ井駅に降り立ちます。季節柄、降雪での列車の遅れを心配していました。が、そこはさすがのJR東日本、定刻どおりの到着でした。
先月から報道されていた「数年ぶりの積雪」を覚悟していたのですが、その意に反して駅前や幹線道路はほぼ除雪作業が済んでいて、この私でも歩くのに足下の不自由はありませんでした。ただ、駅舎内待合室のストーブに大きく「故障中」の張り紙…。ここがとても寒かったのには参りました。
今回秋田訪問の第一の目的は、現在計画中である物件に使われるスギの板を確認することにあります。と言いますのも、その物件の建て主さん(ご主人)は能代市の出身で、ご夫婦で弊会勉強会に足かけ三年通われました。お話をうかがった際に「すべてとまでは言わないまでも、せっかくですから秋田スギを使いましょう」と勧めると、「そんなことができますか?」「難しくはありません、やってみましょうよ」。そこで大工さんや設計士さんなどと相談して、物件の一部に建て主さんの生まれ故郷のスギを手当することにしました。
懇意の取引先である市場担当者にことの次第を伝えて、能代市のどこの製材所の製品が適材であるかを相談すると、「それは現在この立石林業さんでしょう」と回答を得て今回の訪問に至りました。
上の写真はお願いしました秋田産スギ80年生のアカ板です。そうなるとご主人も欲が出るもので「節(フシ)はなんぼあってもいいから、できればアカミのスギで」と希望されています。製材後に弊店の倉庫で数ヶ月間立てて乾燥させ、その後適所ごとに加工にして外壁や内装に使う予定でお願いしました。
この日、工場構内を案内していただきました工場長の下坂邦昭さんから(軽い秋田弁で)「これでどぉでしょう」と問われて、内心「もったいない…」と感じるほどの製品でした。市場担当者が言う「どこに出しても恥ずかしくない製品のはずです」との言葉に偽りはありませんでした。当方が依頼した数量を確保できるまで約一ヶ月。春のお彼岸には、このスギの板が弊店の倉庫内に立て掛けられることになります。
立石林業株式会社二ツ井製材所 能代市二ツ井町字中坪道下7
posted by 長風呂呑平 at 16:07|
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小林さんちの家造り
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いいですね、写真からも木味が良いのがにじみ出ていました。
こういう素材を使える建て主さんは幸せですね。
是非、納得のいく家を造ってもらいたいものです。
続報を楽しみにしております。
この時期に寒い秋田まで出向いてまで材料調達に奔放いただき、ほんとうにありがとうございました。ブランド品の秋田杉ですので予算の心配はありますが、可能な限り随所に採用したいものです。