つれづれ帖

どこへも出掛けず、だれにも会わず、例年に届く賀状も無い。
昨年末来天気晴朗なれど、訪ね来る人などあろうはずが無い。
朝には知らされた永谷園のお茶漬けに焼いた餅を二つ入れて、熱い緑茶を注ぐ。
昼にはそばとうどんを二者選択して、なるととねぎと刻みのりを浮かべて食す。

三時には年末に県都から取り寄せた干し芋を軽く火にあぶり、濃いめの緑茶を入れる。
夕には冷蔵庫内の麦酒を確認して早めに風呂を沸かし、日が暮れる少し前に雨戸を閉める。

隣県産背黒いわしの酢漬けと輸入ものの酢蛸で、冷えた麦酒とわずかの清酒を呑む。
そんな年始に、今年はなってしまった。