2012年10月20日

紀州材「吉宗」の羽山製材所

串本市街から国道42号線を古座に向かい、JR古座駅に入る少し手前、神野川に掛かる橋の袂を山側に折れます。紀勢本線の狭い踏切を渡り、道の両側から民家が迫る細い道を進むと羽山製材所さんがありました。行く手に工場らしき建物が見えましたが、それらしき社名の入った標識は見当たらず、敷地構内に止めてあるトラックとフォークリフトを見つけて「ここが羽山さんだ」とわかりました。
串本町神野川 羽山製材所
一年に数回お目に掛かるあの商標「吉宗」は、数ある紀州材スギ製材品の中でも丁寧かつ高樹齢高品質。さらに天然乾燥で出荷されている数少ない製品です。お伺いした時はあいにくと製材機が故障したとのことで、残念ながら製材工程を目にすることはできませんでした。工場脇にある事務所に招かれて羽山さんのお話をうかがい、なるほど羽山さんの人柄が製品「吉宗」に良く現れていると感じました。
構内で天然乾燥
敷地内に太い桟を切って乾してある製品を見ながら「うちが人工乾燥を行わないのは、乾燥機がないからですよ」と笑いながらそう言われます。そう、少し前まではどこでもこれが至極当然の仕事でした。

気がつくと陽は高く正午前、「さて午後には機械を直さないと」とまた笑われました。
東牟婁郡串本町神野川251  TEL:0735(72)2103
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2012年10月16日

稲生商店製 天然クスノキの芳香剤

各地の木材生産地に出掛けると、スギやヒノキで同様の商品を目にすることがあります。それでもこの天然楠(くすのき)は珍しい。なるほど、たしかに強い樟脳の香りが漂います。
天然クスノキの芳香剤
紀州天然クスノキのさわやかな香りで衣類を守ります。
タンス、クローゼット、靴箱に入れるだけ、安心・安全な防虫芳香剤。クスノキの香りには強い防虫効果があり、虫を寄せ付けません。化学薬品は一切使っていませんから、肌が敏感な方、アレルギー体質の方、赤ちゃんやペットにも安心してご使用いただけます。ハッカのような香りで気分もスッキリ!!
380円/個
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2012年10月15日

高樹齢紀州材の稲生商店

串本市街から西へ車で約10分、碧い太平洋に沿って延びる国道42号線を進みます。
このサイトでも折に触れてご紹介します稲生商店さんを訪ねました。国道沿いにある製材工場の入り口にそれらしき案内表示はなく、風光明媚な景色に見取れていると思わず通り過ぎてしまいそうです。
製材工場構内で
広い工場構内には製材前の原木や、いつも目にするお馴染み「丸にイの字」印の製品が積まれています。それでもほんの数日前に、まとまった量の製品を首都圏に出荷した後とのことで、今回お目当てにしていた製品の品定めは時機を逃しました。ホント、これはチョット残念…。
樹齢300年生の天然ヒノキ
ちょうどこの時は、樹齢300年生の天然ヒノキの製材でした。
稲生さんに「ところでどぉですか、儲かりますか?」と聞くと「今どき儲かるわけないやろ」と笑われます。しかしその言葉とは裏腹に、構内にいる社長以下社員さんたちは、なんとも実に楽しそうに働きます。険しい顔つきよりは白い歯を見せる笑顔が印象的で、「これが儲からない会社か…」と疑いたくなります。
それはよく見ると、製材機に負けないほどの大きな声を掛け合って、工場内を走り回る稲生さんの人柄から来るようで、その性格はマルイ印の製品造りにとても良く現れていると感じました。
樹齢300年生の天然ヒノキ

樹齢300年生の天然ヒノキ

樹齢300年生の天然ヒノキ
株式会社稲生商店  東牟婁郡串本町高富588  TEL:0735(62)0104
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2012年09月11日

まだまだ使える

遠く離れて志を同じくする大先輩から、その購入からおよそ10年間、おそらく一度も手つかずに使われたノートPCの修理を依頼されました。秋葉原のジャンクボックスにも、すでにそうお目にかかれない製品です。
「作ったデーターはどこに保存しましたか?」 「データー? えっとねぇ…、パソコンの中」
まだまだ使える
動作不良になったDVD-ROMスリムドライブを交換、500円。
ひとつの空きスロットにメモリー512MB一枚を追加、1,380円。
少し異音が気になる40GBのHDDを80GBに増量交換、2,280円。

無事にハード部品の修復を済ませ、再セットアップも順調に進みました。日常Wordと電子メールの送受信を行う程度では、これでじゅうぶんでしょう。まだまだ使える、もったいない。
それでも見積予算額3,000円を、40%もオーバーしてしまいました、ゴメンナサイ。
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2012年07月24日

祝上棟

祝上棟
本日、弊会会員である須田材木店さん宅の上棟が行われました。
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2012年03月20日

水府の天下野さん

大子町から東に山をひとつ越えて、国道461号線を南に向かいます。現在ではその名を常陸大田市と変えましたが、私くらいの年代には水府村と呼ばれたほうが馴染めます。
天下野製材所
天下野と書いて「けがの」と読みます。井上正勝さんが操業していた製材工場はこの国道沿い、緩いカーブに差し掛かったところの高台にありました。入り口に目立った看板はありません。この街頭に掲げられた小さな標識を見落とすと、うっかりすると通り過ぎてしまいます。

やはり聞き及んでいたとおり、昨年末で廃業されていました。かつては工場内に積まれてあったスギの原木も、そして製材品もありません。広い構内にはトラック数台とフォークリフトが二台。車体の脇に大きく「天下野製材所」と書かれた文字が目立ちます。

私と同年代の井上さんは、現在山の伐採の仕事に携わっているそうです。廃業にあたり異業種への転職を希望されていました。しかし今のご時世、四十路を過ぎての就職は世間様の壁はあまりにも高くて急で、やむなく己にできることから始めたとのこと…。

今の我が身と照らし合わせて他人ごとではなく、弊店ご愛用の製品がまたひとつなくなりました。
posted by 長風呂呑平 at 09:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 樹の仲間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月19日

雨が流していった時間

この写真を見てここがどこかがわかる方は、恐れながら弊会の相当の事情通とお見受けします。梱包された製品の上には雨除け用のトタン板、後方には一面に茶畑が広がります。
ヒノキの土台
先週末の雨の中、久しぶりに大子町左貫の戸村信一さんにお会いしまいた。
事務所前に面した県道を挟んだ作業場には、ごらんのようなヒノキの土台が積まれていました。手持ちのスケールで寸法を測ってみると縦横13.0cm、私の後ろから「ここにこうして一ヶ月半置いて、それから12.0cmに仕上げるんですよ」と戸村さん。ふたり並んで傘を差し、高く積まれたヒノキを眺めます。

下の写真は今から約五年前、2006年11月に行われた弊会森林見学会の時のものです。
かつてこの場にはごらんのように、戸村さん自身が原木を手当てし、戸村さんの手法によって製材された「戸村製材製」のスギの柱材が山のように積まれていました。やはり原木から13.0cmに製材し、その後約四ヶ月間こうして自然に乾燥させ、そして12.0 cmに挽き直して市場に流通されていました。
戸村ブランドのスギの柱
しかし現在、この場にその戸村ブランドの製品は一本もありません。目の前に積まれてあるヒノキの土台も、すべて他社から支給された原木を支給先の仕様に沿って製材された製品です。

戸村さんがこのように営業方針を変えたのは二年前。その当時家族をはじめとして全社員と相談し、「会社を存続させるためにはこの選択しかない」と、ギアを落としてハンドルを切った英断だったと言われます。
その時からあの「戸村ブランド」の柱材は市場から姿を消し、戸村さんは製材品の販売から、製材技術を報酬として得る経営にシフトされました。

窓の外で雨音がささやく小さな事務所の中で、彼とダルマストーブを挟んで約一時間。雨に流されるかのように、大きく変化した時間の流れを痛感しました。
帰り際に彼が「長風呂さん、これでいいのか…、と悩み考えていると、間違いなく時代から取り残されます。お恥ずかしいことにこの年になって、改めて思い知らされましたよ」と笑顔でそう言われました。

帰路の車中、フロントガラスに打ち付ける雨音はあまりにも冷たく、そして過酷な音に聞こえました。
posted by 長風呂呑平 at 16:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 樹の仲間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする